上山 誠也
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パサパサのダメージ毛をどうにかしたくて調べていたら、「生ケラチン」っていうのを使ったトリートメントやカラーを見つけました。
生ケラチンってなに??
普通のケラチンよりも効果が高いの??
生ってつくとなんか凄そうな感じしますよね。笑
今回は生ケラチンの効果や効能をお伝えして、最後に美容師さん向けの活用法をお伝えします。
ちなみに僕は誰だ?という感じですが、神奈川の藤沢という土地で髪質改善トリートメントや縮毛矯正、ノンジアミンのカラーを得意としている美容師です。
独自にヘアケア原料の研究や、シャンプー、トリートメント、サロン内での処理剤の開発・販売をしているで、一般的な美容師さんより、すこしは毛髪科学や化粧品科学に詳しいかと思います。
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生ケラチンとは?
まずは生のつかない普通のケラチンについてお伝えします!
ケラチン(独、英: Keratin)とは、細胞骨格を構成するタンパク質の一つ。細胞骨格には太い方から順に、微小管、中間径フィラメント、アクチンフィラメントと3種類あるが、このうち、上皮細胞の中間径フィラメントを構成するタンパク質がケラチンである。
毛、爪等のほか、洞角、爬虫類や鳥類の鱗、嘴などといった角質組織において、上皮細胞は硬質ケラチンと呼ばれる特殊なケラチンから成る中間径繊維で満たされて死に、硬化する。硬質ケラチンは水をはじめとして多くの中性溶媒に不溶で、タンパク質分解酵素の作用も受けにくい性質を持っている。これは、ケラチンの特徴であるシスチン含有量の高い(羊毛で約11%)アミノ酸組成に起因している。ペプチド鎖(多数のアミノ酸が鎖状に結合したケラチンの主構造)はシスチンに由来する多くのジスルフィド結合(S-S結合)で網目状に結ばれている。なお、髪の毛や爪を燃やした際、不快な臭いが発生するのはこの硫黄分に起因する。
粘膜などの角質化しない上皮細胞においてもケラチンは中間径繊維の構成タンパク質として重要な役割を果たしており、上皮組織のシート状構造はケラチン繊維によって機械的強度を保っている。
出典:ウィキペディア
むずかしいですよね。笑
簡単に言うと、髪の大部分を構成する成分がケラチンで、弾力やハリなどの強度に関わります。
ただ、このままのケラチンは粒が大きく分子量が40,000~60,000位のものが多いです。
髪の中に浸透してダメージ補修として使うには分子量が約3,000以下が望ましいとされているので、髪に使用するケラチンは加水分解と言って細かく砕いて毛髪内外に浸透・吸着しやすいようにしてあります。
生ケラチンとは?
- 加水分解していない無加工のケラチン
- 特殊技術によりS-S結合(シスチン残基)を持ったままの加水分解ケラチン(活性ケラチン、スルホン化ケラチン)
全く別物なんですが、この2つのことを生ケラチンとよんでいます。
紛らわしいので、2の方は活性ケラチン、スルホン化ケラチン、還元ケラチンと呼ぶことも多いです(それでも呼び方が定まってないからヤヤコシイ。)
今回の記事では、1を生ケラチン、2を活性ケラチンと便宜的に分けて説明します。
生ケラチンの効果
先程お伝えしたとおり、加水分解していないケラチンのことです。
=粒が大きくて内部浸透しないケラチンですね。
なかに入らないならあまり効果ないんじゃ。。。
毛髪内部に浸透しないので内部補修という意味では効果無いですね。
ただ、髪表面に付着して、キューティクルの保護や手触りの良さには繋がります。
ただ、このまま単品で使用するということはなく、皆さんには何かしらの製品として手元に届くので、パターン別に詳しく効果をせつめいします。
生ケラチンの入ったシャンプーの効果
粒が大きく、内部浸透もせず、洗浄剤でそのまま流されるだけなので基本的にあまり効果がありません。
唯一の効果といえば、「生ケラチン入りシャンプー」と宣伝できるので、ヘアケア効果は無いけど一般消費者に関心を得られやすいというマーケティング的な意味合いだけでしょうか。効果はないけど。
生ケラチントリートメントとは?また、その効果
理論上は髪表面に付着しハリや弾力、手触りのアップに繋がります。
ただ、粒が大きく、トリートメントを流すときにほとんど流れてしまうので、仕上がりとして効果を感じないのでははないか?と思います。
そういったことを解消するために、加水分解ケラチンという髪に引っかかりやすくしたケラチンがあります。
美容院でのトリートメントも、自宅でのシャンプー後のトリートメントも、この生ケラチンに関してはあまり効果的でないように思います。
生ケ◯チン髪の補修液、「髪のNMF原料混◯液」トリートメントの素などの商品もありますが。。。
価格から推察するに濃度がかなり低いようですし、上記の理由から効果も期待できないのでオススメいたしません。
ちゃんとした化粧品メーカーからの生ケラチンそのものを購入すると1,000gで3万円ほどします。
上記の生ケラチン配合商品がどれだけ薄めてあるのかの参考にはなるかと思います。
生ケラチンカラーとは?また、その効果
生ケラチンカラーとは、カラーに生ケラチンを混ぜる。もしくはカラー前に生ケラチンを塗布してからカラーするものを言うようです。
カラーのアルカリによってケラチンが多少分解され、毛髪への引っ掛かりがよくなるので、一定のトリートメント効果が得られます。
また、分子量が大きいので、細い髪の根本のボリュームアップや、加齢毛、ブリーチ毛などのダメージ毛においてカラーの染色率アップ、色持ちアップが期待できます。
ただ、10,000~30,000位の分子量の大きい加水分解ケラチンの方が髪への定着率は良いので、わざわざ生ケラチンを使う必要はあまり無いとも言えます。
もともと髪が太い方、ゴワゴワする方の場合には、余計にごわつき広がりが出る可能性があるのでオススメはしません。
生ケラチンパーマとは?また、その効果
生ケラチンパーマとは、パーマ液に生ケラチンを混ぜる。もしくは巻く前に生ケラチンを塗布してからロッドを巻いてパーマをするものを言うようです。
パーマのアルカリによってケラチンが多少分解され、毛髪への引っ掛かりがよくなるので、一定のトリートメント効果が得られます。
また、分子量が大きいので、細い髪の根本のボリュームアップや、加齢毛、ブリーチ毛などのダメージ毛において弾力やウェーブ効率のアップが期待されます。
ただ、カラーと同じく10,000~30,000位の分子量の大きい加水分解ケラチンの方が髪への定着率は良いので、わざわざ生ケラチンを使う必要はあまり無いとも言えます。
生ケラチン縮毛矯正とは?また、その効果
生ケラチン縮毛矯正とは、矯正剤に生ケラチンを混ぜる。もしくは薬剤塗布前や中間に生ケラチンを塗布してから縮毛矯正の工程をするものを言うようです。
矯正剤のアルカリによってケラチンが多少分解され、毛髪への引っ掛かりがよくなるので、一定のトリートメント効果が得られます。
また、分子量が大きいので、細い髪の根本のボリュームアップや、加齢毛、ブリーチ毛などのダメージ毛において弾力やウェーブ効率のアップが期待されます。
ただ、カラーと同じく10,000~30,000位の分子量の大きい加水分解ケラチンの方が髪への定着率は良いので、わざわざ生ケラチンを使う必要はあまり無いとも言えます。
活性ケラチン、スルホン化ケラチン、スルホケラチン、還元ケラチンとは?
一般的な加水分解ケラチンはケラチンを抽出する段階でケラチンのS-S結合(シスチン残基)が壊れてしまいます。
ですが、活性ケラチンはS-Sの繋がりを持ったままの加水分解ケラチンなので、毛髪補修力が極めて高いのです。
言葉だけだと説明が難しいので、簡単な図で説明します。
まずは健康な髪の状態。S-Sの結合が切れていないので、ハリや弾力、しなやかさがあります。
これがダメージすると、S-Sの結合が切れて、弾力がなくなったり、枝毛・切れ毛の原因になります。
ここに活性ケラチンをある手順を踏んで使用すると、毛髪のむき出しになったSと活性ケラチンのSが架橋し、髪のダメージを穴埋め、補修します。
この活性ケラチン自体は自身が持っているSにスルホン酸(-SO3H )がくっついていて、カラーやトリートメント、シャンプーに混ぜただけでは効果が発揮できません。
亜硫酸塩(サルファイト)で還元させないと毛髪と結合してくれない
成分として安定させるために活性ケラチンはスルホン酸(-SO3H )がくっついています。
このスルホン酸(-SO3H )が外れてくれないと、ダメージした部分のSと結合してくれません。
ではどうやってスルホン酸(-SO3H )を外すのかというと、亜硫酸塩(サルファイト)というカーリング料(≒パーマ剤)に活性ケラチンを混ぜて、還元させる必要があります。
パーマや縮毛矯正のときは活性ケラチンをただ混ぜるだけでスルホン酸が外れるので問題ないですが、カラーやトリートメントのときは
サルファイトに活性ケラチンを混ぜて時間を置く→その後カラーやトリートメントに混ぜる
という工程を踏まないと、効果を発揮せずただの加水分解ケラチンと同じ働きになってしまいます。
使い方が複雑なことと、成分自体が高価で有効な濃度まで配合すると商品がバカ高くなってしまうので、ちゃんと効果のあるヘアケア商品や薬剤、トリートメントが販売されていません。
なので僕は、が出る濃度の活性ケラチンを使ったカラー、パーマ、縮毛矯正、トリートメントを自作しています。
活性ケラチン、スルホン化ケラチン、スルホケラチン、還元ケラチンの種類
現在メジャーな活性ケラチンは4種類ほどあります。
- CMADK( S-カルボキシメチルアラニルジスルフィドケラチンタンパク質)
- AEDSケラチン(アミノエチルジスルフィドケラチン)
- Kereffect™SD(ケレフェクトSD)
- CYNATINE® TOP(シナチン®トップ)
この内、ミルボンのCMADKは分子量約50,000~60,000、リトル・サイエンティストのAEDSケラチンは30,000~40,000と粒が大きく髪の内部補修には向きません。
ミルボンはトリートメントやカラーにも配合させていますが、、、効果の程はどうなんでしょうね。
ケレフェクトSDは分子量300、シナチントップは400なので非常に細かく、内部補修、外部補修ともに効果的です。
特にパーマや矯正のときに独特のしなやかさ、ツヤ、みずみずしい弾力は他では類を見ない質感です。
カラーやトリートメントにも応用が効かせられるのですが、いろいろと制約があるのでここでは書くのを遠慮しておきます。
当サロンではケレフェクトSD、シナチントップを仕入れています。パーマや矯正はもちろん、カラーやトリートメントでも活用しています。
活性ケラチン、スルホン化ケラチン、スルホケラチン、還元ケラチンの検証
準備中です。時間ができたら検証内容をまとめて記事にしたいと思います。
生ケラチンまとめ
- 生ケラチンは基本的にそこまで効果は期待できない。
- 活性ケラチン、スルホン化ケラチン、スルホケラチン、還元ケラチンはダメージ補修に効果的だがそのまま使うだけでは効果がない。
- CMADK,AEDSケラチンは髪表面のみ効果を発揮する
- ケレフェクトSD、シナチントップは髪内部・外部ともに効果的な原料
こんなところでしょうか。
一般のお客様は生ケラチン入りのシャンプーやトリートメントを買っても今までのケラチン以上の効果ないので特に気にする必要はないと思います。
むしろ、原料価格が高いため、製品に多く含ませることができず、今までのケラチンより効果を感じづらいのではとさえ思います。
美容院で生ケラチントリートメントと書いてあっても、あまり成分を理解してないサロンが多いので(実際に検索して見て回りました)ブログで細かく説明しているサロン以外ではやめておいたほうが良いかと思います。
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当サロンのカラー、縮毛矯正、トリートメントは、当日シャンプーOKです
当日のシャンプーは控えるように。と言われることも多いかと思いますが、当サロンでのカラー、矯正、トリートメント、パーマの場合、その日のシャンプーもOKです。 縮毛矯正は結んだり、耳にかけても大丈夫です。普段のヘアケアで何を使うかが何より大切です。
髪を綺麗にしたくて当店のご利用をお考えの皆さん。
雑貨店、ドラッグストアにあるような市販のシャンプーを使っていたら残念ながら効果が出ません。。
ご予算、希望の仕上がりに合わせて当店にあるものや、お客様自身でネットで購入できるものからご提案させて頂きます。
押し売りは致しませんので安心してください♪
1日あたり105円の髪質改善!!
髪質改善されるお客様向けに、僕が開発したスペシャルホームケアもあります。
(もちろん合わない方にはお勧めしません)